知っておきたい天然真珠と養殖真珠の3つの違い
天然真珠と養殖真珠は何が違うの?
「天然」と「養殖」という言葉のイメージから、私たちは天然真珠のほうが養殖真珠よりも優れているというイメージを持ちやすいかもしれません。しかし、そもそも天然真珠と養殖真珠の違いはどこにあるのか、あまり知られていないのも実状です。この二つの違いはどこにあるのでしょうか?
1. 構造が違う
天然真珠と養殖真珠の最も大きな違いは、その構造にあります。
真珠を作るのはアコヤ貝などの貝ですが、アコヤ貝は殻の中に異物が入り込んだり、貝殻の内側の細胞が剥離したりといった何らかの要因で真珠袋が形成され、真珠層が重なることで真珠が作られていきます。
そのため天然真珠は円の中心まですべて真珠層でできており、核はないか、あってもごく小さなものです。この仕組みを利用して作られるようになったのが養殖真珠で、人工的にアコヤ貝などに核と呼ばれる球体の異物を入れることで、貝がその核に真珠層をコーティングすることを促します。
十分コーディングができたところで取り出しすため、見た目は天然真珠とほとんど変わりませんが、断面を見ると核があるため養殖であることがわかるのです。とはいえ、自然の貝の力で真珠層を作るのは同じであることから、外観を見ても養殖か天然かを見分けるのは非常に難しいといえるでしょう。
2. 希少性が違う
天然真珠ができるのは自然の偶然によるものです。すべての貝に真珠が入っているわけではありませんし、入っていても丸い核を仕込んで丸く仕上げる養殖真珠と違い、形はいびつなものがほとんどになります。核がないということは大きな粒になるまで長い年月がかかりますから、粒の大きな丸い天然真珠がいかに希少なものかわかるでしょう。
3. 価格が違う
その希少性から天然真珠は非常に高価なものとして昔から大切に扱われていました。日本の明治時代に養殖に成功するまでは天然真珠しかなかったため、真珠は王侯貴族にしか身に着けられないような幻の宝石だったのです。現在宝飾店などで流通している真珠はほとんどが養殖真珠であり、それでも高価なものは少なくありませんが、天然真珠のアンティークジュエリーはそれよりもはるかに高い値段で取引されることもあります。
まとめ
天然真珠は全く人の手が加わることなく自然にできた真珠で、養殖真珠は人工的に核を埋め込むことで作った真珠です。しかしどちらも真珠貝の自然の働きによって生まれたものですから、貴重であり美しいことには変わりありません。