儀式・結納

用語一覧

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肴料
  酒料
  先勝
  先負
  さくら茶
  座敷
  三方
しきり
  宿曜(すくよう)
  白木台
  赤口
  周吉
  祝儀扇子
  祝儀盆
  酒肴料(しゅこうりょう)
  受領書
  小吉
  身上書
  親族書
  進物盆
末広
  末廣
寿恵廣
  末栄廣
  寿美(すみ)酒
  寿留女
  寿留芽
清酒料
  背広料
宗門書(そうもんしょ)
  速喜(そくき)
即吉
ダークスーツ
  大安
高砂人形
  宝金
  タキシード
  袂(たもと)酒
太留料
  樽入れ
中京式
蝶結び
ツーピース
  付下げ
  壺(つぼ)酒
 
  釣書
ディレクターズスーツ
道具入れ
  道具納め
同時交換
  床の間
とっくりころがし
  土地のし
  留袖
  友白髪
  友志良賀
  共白髪
  友引

 

 

見合い・仲人

ことば よみがな 同義語 意味
釣書 つりしょ   縁談の時にお互い取り交わす自己紹介(プロフィール)と家族構成などを書いたものをいいます。
書式は、決まったものは無く、自筆で書くのが良いです。
同義語 「身上書」
見合い みあい   世話人と呼ばれる方の仲介で、結婚を希望する男女が対面することです。
縁談に際して、見知らぬ男女が仲人らの仲介していただいてお会いすることです。
仲人 なこうど   一般には男女の間に立って結婚を仲立ちする人のことをいい、本来は男女に限らず仲立ちする人のことをいいます。
結婚の仲人は、お付き合いの始まりから結婚するまで両家の間に立ち、ことを円滑に進める役をします。厳密には媒酌人の役目とは異なり、一般的には披露宴の媒酌人をしていただくだけの場合も仲人と呼んでいます。
同義語 「媒酌人」
媒酌人 ばいしゃくにん   結婚式の立会人であり、誓約の証人となり、披露宴では式の報告者の役目をし、乾杯の発声する方をいいます。
仲人は媒酌だけでなく、縁談の世話人、結納の使者も務めますが一般には同じ役目と思われています。
同義語 「仲人」

 

台・毛氈

ことば よみがな 同義語 意味
白木台 しらきだい  
結納品などを贈る時に用いる足の付いた白木台のことをいいます。
その台の上にお品物を置きます。お祝いの品としてお届けする時は、足は組まずにお渡しし、受けた側が飾る時に組みます。

白木台

同義語 「祝儀台」「献上台」「片木台」
片木盆 へぎぼん  
神仏へのお供え・結納品・お祝い品を載せる足の無い白木台をいいます。
結納では、家族書・親族書・目録・受書などの手渡しするものに使います。

片木盆

三方 さんぼう   神道の神事で使われる、神饌を載せる台をいいます。古くは、高貴な方に物を献上する時に使われました。木製で折敷(おしき)と呼ばれる盆の下に長方体状の台が付いた形をしており、台の三方に穴が開いていることから「三方」と呼ばれています。
寺院で同様のものを使われる場合は、「三宝」と書かれることもあります。
毛氈 もうせん   結納品を置く下に敷く布をいいます。昔は、受ける側が用意して床の間に敷き到着を待ったものですが、最近は 結納品と共に購入して持って行きます。女性への結納では赤色、男性への結納返しでは緑色のものを用意します。
同義語 「毛仙」

 

水引飾り

ことば よみがな 意味
まつ
年中緑を保つというところから、気持ちの変わらぬこと、永久に栄えることを願います。

松

たけ
まっすぐに成長し、弾力があり折れにくいことから、潔白・節度を意味します。

竹

うめ
厳寒に耐え春に先駆けて花を付け、実を結ぶことから忍耐と家庭の行末を願います。

梅

つる
古来より千年の命を保ち、貞節ある鳥の象徴とされています。

鶴

かめ
万年の命を保ち、夫婦の和合を願います。

亀

 

基本結納品

ことば よみがな 同義語 意味
熨斗 のし  
吉事の印として大変高価な品物であるのし鮑(あわび)に「不老長寿」を願い用意します。
結納以外にもお祝い事では、「末広」と共に付けます。お祝いの金封の貼り熨斗は「熨斗」「末広」を一つにしたものです。
関東地方では、「長熨斗」といいます。

熨斗

同義語 「長熨斗」
子産婦 こんぶ  
こんぶは強力な生命力と繁殖力があることから子宝に恵まれるようにとの願いと、「よろこぶ」に通じ祝い事に欠かせない縁起物として用意します。女性への結納に用いる時に書きます。
男性へ持って行くときには「幸運夫」と書きます。

子産婦

同義語 「子生婦」
友白髪 ともしらが  
昔は麻の着物が一反織れるくらい大量に送られました。麻は白髪に似て共に白髪が生えるまで仲睦まじく添い遂げるようにと願います。

子産婦

同義語 「友志良賀」「共白髪」
寿留女 するめ  
かめば噛むほどに味が出るようなご夫婦になる願いと保存がきくことから幾久しくご縁が続きますようにと願い用意します。女性への結納に書きます。
男性へ持って行くときは「寿留芽」と書きます。

寿留女

小袖料 こそでりょう  
昔は女性に花嫁衣装を贈っていました。
ある時期から品物からお金を贈るようになったため、「料」を付けるようになりました。一般的には、「結納金」といわれています。小袖料は中部以西で使われることが多いです。
男性へ持って行くときは男性の衣装ということから「袴料」といいます。

小袖料

同義語 「帯料」「帯地料」「御帯料」「宝金」 
家内喜多留料 やなぎだるりょう  
柳の白木で造られた樽にお酒を入れて「両樽壱荷」と称し、二本をお祝いの一品として贈られました。「家内喜多留」とは、家に喜び事が多く集まり長く留まることに願いを込められたようです。
ある時期から品物からお金を贈るようになったため、「料」を付けるようになりました。

家内喜多留料

同義語 「柳樽」「太留料」「酒料」「清酒料」 
末広 すえひろ  
先に行くほど広がることから繁栄を願いことから用意します。
結納以外にもお祝い事では、「熨斗」と共に付けます。

末広

同義語 「末廣」「寿恵廣」「末栄廣」

 

その他結納品

ことば よみがな 同義語 意味
勝男武士 かつおぶし  
たくましい男性の力強さを象徴し、古くは武家の保存食として常備されていた品です。
いざ、出陣という時に武運長久の縁起物として用意します。
東海地方では、男性への結納返し(引出結納)の一品として用意します。
関東地方では、結納品の一品としています。
関西地方では、結納の一品として肴料を「松魚料(まつうおりょう)」として一品としています。
かっては、鰹の雄節(背節)と雌節(腹節)を対にして送っていました。

勝男武士

同義語 「勝男節」「嘉津男婦志」「松魚節」
酒肴料 しゅこうりょう   スルメ・コンブ・お酒を用意します。
三品全てをお金で用意する場合は、「酒」と「肴」に替わることを表すため「酒肴料」と書きます。
袴料 はかまりょう   結納返し(引出結納)の基本の一品で、昔は男性に袴を贈っていました。
現在も袴代わりに着物や洋服を贈る方もみえます。
ある時期から品物からお金を贈るようになったため、「料」を付けるようになりました。
女性へ持って行くときは女性の衣装ということから「小袖料」を用います。
結納返しの金額は、東海地方では「小袖料」の一割、関東地方では半額(半返し)を用意します。
関西地方では、結納返しをしないで結納の時に「お多芽返し」します。
同義語 「背広料」「袴地料」
松魚料 まつうおりょう   関西地方の結納の基本の一品として、魚を贈っていました。
ある時期から品物からお金を贈るようになったため、「料」を付けるようになりました。
関東地方では、「勝男節」と書いて鰹節を贈ります。
どちらの地域もお酒の代わりに「家内喜多留料」も用意します。
同義語 「肴料」「勝男武士」
諸白料 もろはくりょう   結納返し(引出結納)の基本の一品で、「家内喜多留料」のお返しとして入れ物をそのまま使い、中身のお酒だけを新しくすることを意味しました。
用意するお酒が最高のものである証として「諸白」といいました。
ある時期から品物からお金を贈るようになったため、「料」を付けるようになりました。
諸白とは、麹米と掛け米の両方を精白米を用いて造ったお酒で、透明度の高い今日の清酒に等しい高級な清酒のことを言いました。
起源は奈良時代の大寺院で造られた坊主酒で、この流れを継いだ奈良の酒屋の「南都諸白」は、最も高級な清酒の呼び名として長らく名声をほしいままにしました。
結納返しの金額は、東海地方では「家内喜多留料」の一割から三分の一、関東地方では同額を用意します。
高砂人形 たかさごにんぎょう  
尉(じょう)と姥(うば)の人形をいいます。
共に白髪になるまで夫婦睦まじくという願いが込められています。

高砂人形

同義語 「翁人形」
小槌 こづち  
一度振れば福を生み、もう一振りすれば運を生むといわれる槌をいいます。
一部では、小槌を結納後の正月に飾る習慣があります。

小槌

同義語 「福槌」

 

地域の結納

ことば よみがな 意味
関東式 かんとうしき 関東地方を中心とした東日本に共通した結納飾りです。一品を小さくして大きな1台の献上台に9品を全て載せます。
目録と鰹節(勝男節)を入れて9品となります。
目録に書く名前は、本人同士(関東圏の中心)・父親同士(北関東・東北・北海道・沖縄)が多い。
関西式 かんさいしき 関西を中心に中四地方に共通した結納飾りです。
松竹梅の水引飾りの下に「小袖料」「家内喜多留料」・「松魚料」の3つにお金を包んだ金封を置きます。
「小袖料」が100万円の場合、「家内喜多留料」・「松魚料」を5万円ずつにします。指環と高砂人形を入れて9品となります。
目録に書く名前は、家同士が多いですが一地域では親同士もあります。
九州式 きゅうしゅうしき 九州地方に共通した結納飾りです。
酒(角樽)一対やお茶(御知家)を入れて9品となります。9品以外に鯛も用意します。
目録に書く名前は、家同士が多いです。
中京式 ちゅうきょうしき 愛知・三重・岐阜に共通した結納飾りです。
結納は7品飾りとなります。最近は指環飾りを加えるので熨斗を全ての熨斗として数えません。
目録に書く名前は、家同士が多いです。

 

名  称 中京式 関東式 関西式 九州式
  同意語 現代語 9品 7品 5品 9品 7品 5品 9品 7品 5品 9品
目録                  
熨斗    
小袖 帯地 (結納金)
友白髪            
寿留女   (するめ)      
子産婦   (こんぶ)      
勝男武士 勝男節 (肴)                  
  松魚節                      
松魚                  
家内喜多留 柳樽 (酒)      
角樽                      
寿恵廣 末廣 (末広)
高砂人形     (○)              
結美和   (指輪)           
御知家   (お茶)                  
宝船   (呉服細工) (○)                  

(○)は二つのどちらか1品として数える、◎は他のお品全ての熨斗と解釈して数えない

 

目 録

ことば よみがな 同義語 意味
目録 もくろく   物の譲渡や寄進する時にその内容を表す名称・数量・大きさなどを書いたり、奥義の授与などの証文を書き印しものをいいます。そこには、送り手・送り先・年月日など内容がわかるように書きます。
古くは、奈良時代の寺院で作成された資材帳として目録が残されています。現在でも「贈呈目録」・「結納目録」 「受取目録」「荷物目録」」として使われています。
受取目録 うけとりもくろく   結納の受取確認と受ける側の「承諾」の印として相手様にお伝えするために用意する目録をいいます。
本来は、受取目録は頂いた結納の目録を見てその場にて目録の内容に合わせて家の方が書き、お渡ししました。
関西地方では、目録の「写し」を受ける側に事前に渡して受取目録を用意しました。今では、結納を納める側が代わって用意するか受ける側が「確かにお受けしました」という内容の受取目録を事前に用意します。
同義語 「受書」「受領書」
家族書 かぞくしょ   結婚する本人の家族を紹介するための目録をいいます。結納の時は、結納の目録と共に納めます。
東海地方では、受ける側は結納返し(引出結納)の時に同様に納めます。
内容は、本人家族である両親・兄弟及び両親と同居している祖父母を書きます。
順序は、目上から書き最後に本人となり、祖父母・両親はどちらが先でも良いです。
別居していても未婚の兄弟は家族に入れます。住所は、書いても書かなくてもどちらでも良いです。
親族書 しんぞくしょ   本人の親族を紹介するための目録をいいます。結納の目録と一緒に納めます。東海地方では、受ける側は結納返し(引出結納)の時に同様に納めます。
結婚した兄弟の夫婦や両親の兄弟夫婦・別居の祖父母を関係の濃い順位で書きます。
住所と直接の親族の名前の上に間柄(叔父・伯母)を書きます。
宗門書 そうもんしょ   自分の家のご先祖をお守りしてくださる寺の宗派・正式名・住所を紹介する目録をいいます。
結納の目録と一緒に納めます。東海地方では、受ける側は結納返し(引出結納)の時に同様に納めます。
仲見舞い なかみまい   昔は、結納から結婚までお会いする機会が少なく、お盆やお正月を挟む時にご機嫌伺いの時に持っていった目録をいいます。その内容は、新婚生活で使うようなものの中から贈る品を選び書きます。
同義語 「仲祝い」
荷物目録 にもつもくろく   婚礼のお荷物を書いた目録をいいます。お祝いごとの品数は奇数とします。
昔は、調度品目録・荷物目録に分けて詳しく書きました。最近は、大きなもの・大切な物・高価な物を選び書きます。「家具一式」「夜具一式」「電化製品一式」などと書いて簡単に書く場合もあります。
 昔の親御様は、御嬢様が親になって子供の結納の準備をするときの為に、準備した荷物等を書いたノートを渡して、嫁がせたといわれています。
同義語 「荷目録」

 

儀式用品関連

ことば よみがな 同義語 意味
祝儀盆 しゅうぎぼん  
お品物を丁寧にお渡しする時の塗りのお盆で、金封やご祝儀袋など比較的小さなものに使い、広蓋に比べて小さく簡単に扱うお盆をいいます。
会社関係で名刺を頂くのに使用する時はひと回り小さい「名刺盆」7号(14×21cm)を用います。
8号(17×24cm)・9号(19×27cm) 

祝儀盆

同義語 「切手盆」「進物盆」
広蓋 ひろぶた  
大切なお品物をお届けする時に使う黒塗りの長方形お盆をいいます。
昔の人々は、物を唐櫃(からびつ)に入れて運びました。人にものを贈る場合も唐櫃で届けました。
贈り物を相手に渡す時は、唐櫃の蓋を返して、この上に載せて差出しました。
また、引出物を戴くときも、唐櫃の蓋に載せて頂き、唐櫃に入れて持ち帰りました。
鎌倉時代には、蓋が独立して「広蓋」と呼ばれていたことが公文書に書かれています。江戸時代には、贈り物を贈る時には広蓋に袱紗を掛ける形が定着しました。

広蓋

大きさ: 尺五(約31cm×45cm)・尺三(約27cm×39cm)の2種類の大きさがあり、
賞状盆は、広蓋より大きくお盆の中に賞状が入る大きさとなっています。
塗り: 輪島・越前・高岡・紀州各地の塗りのものあります。 
袱紗 ふくさ   贈り物や金品などを包んだり、覆うのに使用する方形の布をいいます。
元々は貴重品などが収蔵された箱上の掛けられていた風呂敷でした。その後広蓋に汚れや日焼け防止として布が掛けられ、儀式道具の一つとして整えられ、現在の房付きの袱紗となっていきました。
広蓋が独立した後、道中での日除け・汚れを避けるため、体裁上布で覆い、風呂敷のようなもので包みました。
次第に美的要素が加えられ、絵や柄が加えられました。
大きさ: 広蓋に合わせた大きさの袱紗を用意するのが最適ですが、重掛けのように大きなものも使うことが出来ます。
尺五用の袱紗(約35cm×38cm)・尺三用の袱紗(約28cm×30cm) 
装飾: 袱紗には柄と家紋を入れた綴織りものや片面に家紋を入れた綴織りや正絹塩瀬の染めがあります。 
同義語  
帛紗 ふくさ   主に茶道では茶器を取り扱う時に用いられる布をいいます。
また、袱紗と帛紗の使い分けとして、掛け袱紗より小さきものに「帛紗」の字を用います。
「台付帛紗」「手帛紗」「金封帛紗」「挟み帛紗」などがあります。
類似語 「掛け袱紗」・「手帛紗」・「お茶帛紗」 
風呂敷 ふろしき  
お品物をお届けする時に汚れたり傷ついたりしないように包んでいく布のことをいいます。
結納などお祝いごとに用いる時には、品物を包むようにして結びません。結びますと「解く」ことになり意味嫌うためです。正倉院御物の中にも舞楽の衣装包みとして用いられたものが残っています。平安時代になると「平裏(ひらつつみ)」と呼ばれるようになり、一般庶民が衣類を平裏に包んで運びました。
江戸時代になると、入浴の際着物を包み、入浴後広げて敷いてその上で着衣したことから「風呂敷」と呼ばれるようになりました。元禄には、「平裏」も含めて「風呂敷」と呼ぶようになりました。

風呂敷

大きさ: 尺五の広蓋用の風呂敷は3巾(約105cm)、尺三の広蓋用の24巾(約90cm)の正絹白山紬を用います。
表に一方の隅に家紋もしくは寿を入れるか無地とします。反対の隅に名字を入れます。広蓋を風呂敷で包む場合は、縛らないで包むためひと回り大きなものを用意します。
祝儀扇子 しゅうぎせんす  
儀式のご挨拶の時に使う扇子をいいます。意味としては、「私は、礼に服しております」という気持ちを表すために扇子を携帯します。扇子を前に置くことで敷居の代わりとし、相手に対してひとつ自分が謙(へりくだ)っていることを表します。扇の末広がりには幸せが末永く続くようにという願いが込められています。
儀式に出席される方は全員用意し、ご挨拶の時に置いてから挨拶します。
金銀のある扇子は、銀を手前に金をお相手様の方に向け、要は右側にして置きます。

祝儀扇子

 

座敷関連

ことば よみがな 同義語 意味
座敷 ざしき   一般的には、一番良い和室に床の間を設け、お客様を迎える部屋をいいます。
日本建築では書院造の基本空間であり、お客様を迎え入れて酒宴などを開く部屋を指すようになりました。
床の間 とこのま   日本の住宅の畳の部屋に見られる座敷飾りの一つ。正しくは「床(とこ)」で「床の間」は俗称とされています。ハレの空間である客間の一角に造られ、床柱・床框(とこかまち)・落とし掛けなどで構成されます。お客様を迎え入れるため邸宅の客間に座敷飾りが造られ、その一部として採用されました。広間では、床の間がある方を「上座」といい、その反対を「下座」といいました。大名屋敷では、上座のことを「上段」それ以下を「中段」「下段」といいました。
掛け軸 かけじく   書や日本画を裂(きれ)や紙で表装して、床の間などに掛けて鑑賞するものをいいます。
結納をお受けするお座敷の床の間にはおめでたい(高砂や松竹梅鶴亀の絵柄)掛け軸を掛けてお待ちします。
同義語 「掛物」

 

祝い茶

ことば よみがな 意味
昆布茶 こぶちゃ 「よろこぶ」といった、縁起を担いだおめでたい語呂に合わせ、結納をはじめとした祝いの席でもてなす飲み物です。また、煎茶は「お茶をにごす」「茶々を入れる」という意味合いからおもてなしには控える方がよいです。
さくら茶 さくらちゃ 「花開く」といった、縁起を担いだおめでたい語呂合わせになっており、結納をはじめとした祝いの席でもてなす飲み物です。また、煎茶は「お茶をにごす」「茶々を入れる」という意味合いからおもてなしには控える方がよいです。

 

お祝品関連

ことば よみがな 同義語 意味
引出物 ひきでもの   結納・結婚式等のお祝いごとで招待客に配られる贈呈品をいいます。
慶事なので品数は奇数の3品もしくは5品とし、ご招待者のご家族・ご夫婦に一組ずつ用意します。
おうつり おうつり   自宅に結婚のお祝いにお越しいただいた方に手ぶらでお返しするのは失礼であることから「お祝い戴く私共の慶び事の縁が、お越しいただいた方にもうつりますように」の意味を込めお渡しする品物をいいます。
関西の一部では、お祝いに頂いた金額の一割を「おうつり」に添えてお渡しする習慣があります。
東海地方ではお金を添える習慣はありません。
同義語 「お多芽」・「おため」
お多芽 おため   お重箱にお菓子などを入れ頂いたときに、このお重箱に真っ白の紙である半紙、懐紙などを入れてお返ししていました。
このようなしきたりが元でお祝いを戴いた時に半紙、懐紙を「お多芽」としてお返しするようになりました。
お多芽返し おためがえし   関西地方では、お祝いや結納で頂いたお金の一割をお多芽紙に添えてお帰りにお返しすることを「お多芽返し」といいます。結納の場合は、受書に「お多芽返し」を一緒に相手にお渡しします。
内祝い うちいわい  
家におめでたいことがあり、お祝いを頂いた後にそのお返しとして贈られる品物を一般的にいいます。
本来の意味としては、内(自分のところ)のお祝いという意味でその喜びの気持ちを祝い品という形に替えて皆様にもお分けし、一緒に喜び祝ってもらうことでした。

内祝い

名披露 なびろう  
芸人が襲名した時、商店が開店した時などに、その芸名や店名を世間に知らせ広めることをいいます。
東海地方では、披露宴の引出物の一品として新郎新婦の名前を書いて熨斗を付けた品物をいいます。
お品物としては、風呂敷・小帛紗・タオルなどを用います。

内祝い

同義語 「名披露目」

 

服装関連① 女性の着物

ことば よみがな 意味
本振袖 ほんふりそで 絵羽模様(えばもよう)の着物で結婚式や披露宴での花嫁衣装をいいます。正式な儀式で着用するので日向(ひなた)五つ紋付きで下襲(したがさね)をします。最近は、紋を省略して比翼仕立て(ひよくじたて)にして袋帯を用いることが多いです。
振袖 ふりそで ミスの準礼装で袖の長さにより呼び名が異なります。大振袖・中振袖・小振袖があり、一般的には中振袖が流通しています。
振袖は絵羽模様で袖丈が一番長い花嫁衣装です。結婚式への参列や成人式、卒業式等に用います。
留袖 とめそで ミセスの礼装。黒留袖は裾模様(すそもよう)といって裾から後ろ身頃にかけての模様がある物(江戸褄模様)をいいます。染め抜き日向五つ紋をつけ、下襲もしくは比翼仕立てにします。結婚式の参列や改まった儀式等の慶事に用います。
色留袖 いろとめそで ミセスの略礼装。30過ぎたらミスも可。本来は留袖の黒の色変わりでありましたが、近年は江戸褄模様にこだわらず肩などにも柄を置いたものもあります。比翼仕立てにせず、紋は三つもしくは一つ紋にして準正装の装いとします。
訪問着 ほうもんぎ ミセスの正装。裾と肩、袖に模様のあるもので、裾の柄は前身ごろ背中後ろ身ごろとひとつづきになっています。
(絵羽模様)紋は三つ紋もしくは一つ紋。入学式、卒業式、年中行事の広い正装に用います。
付下げ つけさげ 訪問着に準ずるものをいいます。柄は訪問着とほとんど同じで、訪問着は仮仕立てをして模様を描くのに対して、付下げは反物の段階で大体のアタリを付けて柄を描くため、仕上がった時に脇縫いなどで柄がずれている時があります。昔は柄付きで訪問着との違いがわかりましたが、現在はほとんど見分けがつきません。
色無地 いろむじ ミス・ミセス問わず。柄のない無地の着物。地紋(生地の凹凸で浮き出た模様)や色、紋の数などで色んな場面で活用できるとても便利な着物です。合わせる帯の種類によっても用途が変えられます。三つ紋もしくは一つ紋を入れます。
江戸小紋 えどこもん 全体に細かい型押しの柄が繰り返しついています。柄が細かいので遠目に見ると無地に見えます。
そのため小紋は本来は普段着だが、この江戸小紋は色無地と同等に扱われていいます。
代表的な物に鮫小紋があります。
小紋 こもん 着物の普段着。全体に繰り返し模様がついています。柄行によってはひとつづきに見えるような物は付下げ小紋と言って帯などの組合わせによっては略礼服として使える事もあります。

 

女性の洋服

アフタヌーンドレス 昼間の正装とされます。ワンピース型の衣服で、スカート丈はくるぶしまたはそれ以上の長さ。 
ドレス 七分袖以上の長い袖を持ち、襟ぐりも浅く、肌が露出しないようになっています。
男性のモーニングコートやフロックコートと対をなします。
イブニングドレス 夜間の正装とされます。ワンピース型の衣服で、スカート丈はくるぶしまたはそれ以上の長さ。
原則としては袖は無いべアトップ・キャミソール・ホルタ―ネックなどのデザインで、腕や胸元や背中が大きく露出するようになっています。長袖で襟が詰まっているのもあります。
男性のテールコートと対をなします。
カクテルドレス アフタヌーンドレスとイブニングドレスの中間に当たり、丈の短いイブニングドレスをいいます。
ワンピース 上衣とスカートが一緒となった衣服をいいます。
ツーピース 上衣とスカートに分かれた衣服をいいます。

 

服装関連② 男性の服

ことば よみがな 意味
紋付羽織袴 もんつきはおりはかま 五つ紋の黒紋付羽織袴は、明治時代に太政官令により正装と定められました。
洋装では、第二礼装であるフロックコート・モーニングコートと同等の扱いとされています。
モーニングコート   昼間の正礼装として黒のモーニイグコートと共地のベスト、グレーの縞柄のコールパンツの組合わせの服装を言います。
燕尾服   夜間の正礼装で、勲章の授与式など、正式な行事の場合は昼間でも着用します。燕尾服にはホワイトタイを用います。
ディレクターズスーツ   昼間の準礼装に用い、モーニングのテールがとれた感じの上衣に縞のコールズボンを着用します。
名前のごとく役員が着るスーツとして名づけられました。
タキシード   夜間の準礼装として用いられます。タキシードには、ブラックタイを用います。
ブラックスーツ   昼夜兼用で略礼装で、最も一般的なスタイルといえます。
具体的には、黒の上下の背広となります。冠婚葬祭に用いられ、ネクタイで使い分けられます。
ダークスーツ   形式にこだわらない結婚式やパーティなどでの略礼服を指します。独身の場合は、ダークスーツをブラックスーツの代わりとして着用します。チャコールグレーや紺色でスリーピースでズボンはシングルが基本です。

 

女性の着物

    日向紋         模様  
ひなたもん 下襲 比翼仕立て 絵羽 付下げ 着尺
5紋 3紋 1紋 シタガサネ ヒヨクジタテ エバ゙   キシャク
正礼装 本振袖            
  留袖              
  色留袖              
準礼装 振袖            
  色留袖              
  訪問着              
  付下げ                
  色無地                
略礼装 色留袖                
  訪問着              
  付下げ訪問着              
  付下げ              
  色無地                  
  小紋                 

 

女性の礼装

正礼装 フルコートドレス  
ローブ・デコルテ 燕尾服に相当
アフタヌーンドレス モーニイグコートに相当
ローブ・モンタン  
ディナードレス  
カクテルドレス  
レディースーツ  
準礼装   デイタイムドレス      
略礼服 リトルブラックドレス  

 

男性の礼装

     
正礼装 モーニングコート    
燕尾服   ホワイトタイ
メスドレス     軍人
紋付羽織袴      
準礼装 ディレクターズスーツ   黒色の背広とコールズボン(グレーの縦縞)
ファンシータキシード・スーツ    
略礼服 ブラックスーツ  
ダークスーツ  

平服と表記された場合、「正礼装でない」程度の意味。

 

ことば よみがな 同義語 意味
水引 みずひき 由来: 贈答品を和紙で包んだ折に結び止めるものをいいました。和紙を縒って紙縒り(こより)状にし、縒りが戻らないように水糊を引いて乾かし固めたことから水引と称されました。
原型である白色は、神聖・清浄の意味を持つとされています。
色分け: 当初は白一色でしたが、衣装装束の色分けと五行説の五原色が起源となっているいわれています。
五原色とは、青・赤・黄・白・黒の五色とされています。金は黄であり、銀は白に通じるといわれています。
神官・僧侶(ソウリョ)の衣装の格式・地位の高いものから、金・銀・紫・赤・藍・緑・黄・黒の順なっています。
陰と陽: 陰陽説に起源の発祥があり、水引結びには陰と陽があり向かって左側を「陽」で淡い色(白・銀)、右側を「陰」で濃い色(赤・黒・黄・金)を用います。
尚、いずれも濃い色の金・赤を用いる時は「陽」に金が来るようにします。
本数: 奇数を基本とします。これは「偶数を陰数、奇数を陽数」とする陰陽説から来ているといわれています。
5本結びを基本結びとしているのも五行説が影響していると思われます。
婚礼に用いられる10本結びは、奇数の5本を重ねた二重陽結びで、豪華さと十分に満ちたりているという意味合いを持ちます。
あわじ結び あわじむすび  
結び目が複雑に絡み合って、解こうとすれば解けるが容易には解けないことから、何度も繰り返したいことも二度と繰り返したくないことにも用いられ、慶事と弔事の双方に使われます。

あわじ結び

同義語 「鮑(あわび)結び」
花結び はなむすび  
結び目が簡単に解け何度も結び直せるとの意味合いから、何度もあっても良い祝い事である婚礼や一般祝事を初め、お祝・ご挨拶・記念事業などのご贈答に使われます。

花結び

同義語 「蝶結び」
結び切り むすびきり  
固く結ばれ解けない結びから、二度と繰返得したくないことを意味します。
婚礼関係・弔事関係や傷病のお見舞・災害見舞いに使われます。

結び切り

同義語 「固結び」「真結び」

 

六曜

ことば よみがな 同義語 意味
六曜 ろくよう
りくよう
  冠婚葬祭では、今でも日柄や時間を気にされます。その判断基準となるのが「六曜」です。「六曜」は、14世紀に中国から伝えられたされ、当時の名称・順序ともに変わっていき19世紀に現在の形となりました。
暦注の一つで6種類が先勝→友引→先負→仏滅→大安→赤口の順で繰り返すが原則です。
但し、旧暦の毎月1日については固定され、1月・7月(先勝)、2月・8月(友引)、3月・9月(先負)、4月・10月(仏滅)、5月・11月(大安)、6月・12月(赤口)となります。
同義語 「六輝(ろっき)」「宿曜(すくよう)」
先勝 さきかち 別呼び名 せんしょう・せんかち
意味 先んずれば即ち勝つ
吉凶 午前中は吉、午後二時より六時までは凶
同義語 「速喜(そくき)」「即吉」
友引 ともびき 意味 凶事に友を引く。かっては「勝負なき日と知るべし」
吉凶 朝は吉、昼は凶、夕は大吉。ただし葬式は忌む
備考 中国語の「留引」を「ゆういん」と読むことがルーツとなっている。
先負 さきまけ 別呼び名 せんぶ・せんぷ・せんまけ
意味 先んずれば即ち負ける
吉凶 午前中は凶、午後は吉
同義語 「小吉」「周吉」
仏滅 ぶつめつ 意味 全てが虚しいと解釈して「物滅」と呼ぶようになり、近年「仏」の字が当てられたもの
吉凶 仏も滅するような大凶日、何事も遠慮する日、病めば長引く、仏事はよろしい
同義語 「空亡(くうぼう)」「虚亡」
大安 だいあん 別呼び名 たいあん
吉凶 大いに安し 
内容 何事においても吉、成功しないことは無い日
赤口 しゃっこう 別呼び名 しゃっく・じゃっく・せきぐち
意味 「赤」という字が付くため、火の元、刃物に気を付ける。
内容 万事に用いない悪日、ただし法事、正午だけは良い

 

その他

ことば よみがな 同義語 意味
決め酒 きめざけ   東海地方で結婚に向けての準備を進めるために、良い日を選んで男性の親か仲人が女性の親様に正式な結婚の承諾を得るため伺うことをいいます。
他の地方では、決め酒と似た「とっくりころがし」「内緒とっくり」「壺(つぼ)酒」「しきり」「袂(たもと)酒」「かため」「口固め」「寿美(すみ)酒」「根ぎり」「樽入れ」「喜芽酒」「御決酒」と呼ばれる同じような習慣があります。
同時交換 どうじこうかん   関東地方を中心に同じ日に結納と結納返しを同時に行うことをいいます。
最近では、両家の都合により他の地域でも行われるようになりました。
東海地方では、一般的には結納と結納返し(引出結納)を別々の日に行います。
同時交換では、両家の結納品・目録の内容等について打合せをしないと結納返しの準備に困られることになります。又、会場やお食事などの費用についてもどうするかを事前に打合せすることが肝要です。
荷納め におさめ   婚礼の荷物を運び入れることをいいます。東海地方では、正式には結納返し(引出結納)と一緒に相手の親様の所に届けます。
尚、住いを別にされる場合は、結納返しと荷物目録に荷物の代表として鏡を一緒に納め、納めた後鏡を含め新居に荷物を入れます。大きな鏡の替りに手鏡を納める方もあります。
新居が遠方の場合は、結納返しと荷物目録と手鏡を納め、別の日に改めて新居に荷物を納めます。
納める時には、親戚の方や兄弟に荷宰領(にざいりょう)となっていただき納めるのを手伝っていただきます。
同義語 「荷入れ」「荷送り」「荷出し」「道具入れ」「道具納め」
結納返し ゆいのうがえし   いただいた結納に対して御礼と共にこちらこそよろしくという意味を込めたお返し結納のことをいいます。
東海地方では「引出結納」といい、いただいた結納の飾りや白木台はそのまま利用して紙替えをして整えます。
男性には松葉色(緑色)、女性には赤色に合わせ紙を用いて替えます。
また、小袖料・家内喜多留料など言葉も袴料・諸白料に替わります。
関西地方では結納返しは行いませんが、「お多芽返し」という習慣があります。
同義語 「お返し結納(お土産結納)」「返しのし」「土地のし」「引出結納」「色替え」「色直し」
略式結納 りゃくしきゆいのう   結納の仕方・結納品などを簡単にすることを一般的にいいます。
最近では仲人様を立てて結納から披露宴まで行わないことを略式と呼ぶ方もあります。
結納品では、各地域の基本結納から点数を少なくしたり、小さな飾りで用意することを略式といいます。
結納品店では、小さくしても品数を基本結納に沿った形で用意しますので、略した結納はありません。
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